のぼりの配色と書体はデザインを左右する!そのコツとは?

「のぼりの新規作成を考えているものの、作り方がわからずどのようなデザインにしたらよいか悩んでいる」「集客アップできるのぼりを作りたいので、まずはデザインについての情報が欲しい」そういったお悩みを抱えている方もいると思いますが、のぼりのデザインの基本としてまず挙げられるポイントは「文字(書体)と配色」です。
のぼりの書体は、明朝体やゴシック体などの他にもさまざまで、のぼりの印象を決める要素の1つです。同じ文言でも、書体や色によってのぼりのイメージがガラリと変わって、それが集客効果に影響する可能性もあります。
この記事では、集客に繋がるのぼりを作成するためのデザインや書体に関するコツをご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
目次
のぼりデザインのコツ その①書体・フォントについて
オリジナルデザインで自作ののぼりを作成する場合、文字や文章の内容が固まったらデザインの手順としてまずは書体(フォント)を決めるところから始めます。文字色や背景などのデザインを先に行うと、合うフォントが見つからないなどイメージと違ったのぼりになってしまう可能性があるからです。店の業種や雰囲気、設置する場所、季節などに合わせて、固めのゴシックにするのか、柔らかい丸文字にするのか、和風テイストを取り入れた筆文字にするのかなど、書体を早めに決定してデザインを詰めていくのがオススメです。また、手書き文字など自分で決めた書体で作る場合には、別途トレース料がかかる業者もありますのでコスト面で注意が必要です。
オススメしたい、のぼりの書体について
書体の種類はたくさん存在しますが、とくにのぼりで使われているフォントは以下のようなものがオススメです。もちろん、一般的な明朝体やゴシック体で作ってもいいのですが、シチュエーションにあった書体で使い分けることが、よりインパクトのあるのぼりに仕上がるコツです。
のぼりの書体参考例

①筆文字

②筆文字

③筆文字

④筆文字

⑤筆文字

⑥筆文字(隷書体)

⑦籠文字

⑧江戸文字

⑨丸ゴシック

⑩丸ゴシック
上記参考例の通り、たとえばラーメン屋さんで使用されるのぼりでも、入れる文字や書体・配色の違いでここまで印象が変わるものです。同じ系統の書体であってもそれぞれ異なる特徴があるため、目的に合った使い分けが大切です。
たとえば、①~⑤は同じ筆文字であっても印象は異なります。筆文字は歌舞伎の看板や提灯にもよく使われています。太くて丸みがあるため親しみやすさのある居酒屋などののぼりにも適しています。⑥の隷書体も筆文字の一種で、高級中華料理などのきっちりとした印象ののぼりや、和菓子屋など老舗っぽさや高級感を出すのにおすすめです。
また、同じ筆文字でも、大漁旗などの旗に使用されている籠文字や寄席文字は余白が少なくなっており、空席を避けようという縁起を担いでいることから「新装開店」「大売出し」などお客さんを大勢呼び込みたい時に使用されます。江戸文字は落語でよく使われており、芸能関係の興行や祭りなどののぼりに使うと賑やかさが増します。
筆文字以外ののぼりだと、「みかん」「りんご」など果物や商品の名前など親しみやすさを売りにしたい時には丸ゴシック体などが適しています。
※上記デザイン例の一部は当店で取り扱いのない商品となりますので、予めご了承ください。
のぼりの文字の大きさについての重要ポイント

ポイント①「どんなお店か」「何のイベントか」が一目でわかるように!
店舗ののぼりを作る場合は店舗名よりも、左の例のように何を取り扱っているのか、何が売りなのかなど具体的な業態やメニューなどをのぼりに入れるほうが通行人の目を引き、集客しやすいといえます。またセールやバーゲンなどを知らせるのであれば、全面的に「SALE」などの文言をシンプルに入れるのもよいでしょう。遠くからでも分かりやすいよう、文字は小さすぎない事が大事です。また、基本的にのぼり旗はデザインが裏抜けするものが多いため、裏から見て鏡文字になっていても読みやすいかどうかも重要です。

「徳島県 オムライス専門店 レイヨン デュ ソレイユ様」
ポイント②視認性を重視すること!
視認性とは「目で見たときの認識のしやすさ」を指します。文字を大きくすれば視認性は高まりますが、ただ大きくすればいいというものではありません。のぼりは通行人の目に入ってから、その店に立ち寄るまでの時間が約7秒ほどといわれています。走行中の車だともっと短い時間になります。また、のぼりは風で動くため一瞬見ただけでは全ての文字が見えにくいこともあります。
短い時間でのぼりの内容を認識してもらうには、短くシンプルな言葉を大きめに入れるのがよいでしょう。文字数が多いとごちゃついた印象を与え、文字を大きくするとかえって視認性が下がってしまいます。のぼりに入れる文字は分かりやすい内容にして、一読できる文字数を意識しましょう。
レタリングによる注意点

レタリングとは書体デザインのことを指します。既存の書体をベースに、文字を装飾したり縦長や平たくするなどの変形をしたりすることでデザイン性が高まるため、のぼりに採用する場合はより個性的な仕上がりが期待できます。
レタリングを自分で行う場合は、主にイラストレーターというソフトを使用します。個性的なフォントを作ることができますが、技術や製作時間などで手間がかかるのが難点といえます。デザイナーにお任せしたいという人は、ラフスケッチを元にデザイナーが印刷データに仕上げてくれるサービスを行っている製作会社もありますので問い合わせてみましょう。その際も書体の指定を忘れずに行うことが必要です。ただし、レタリングはデザインとみなされ、それも含めて作成を依頼するとデザイン料が別途かかる場合もあるので注意が必要です。
※当店ではデザインの作成や編集、及び書体の編集などには対応しておりません。
のぼりデザインのコツ その②配色について

ポイント①誘目性を重視すること!
フォントが決まったら、次はその書体やのぼりのイメージに合った配色を考えましょう。のぼりの配色で重要な要素は「誘目性」と「視認性」です。誘目性とは「人の目を引きつける」という意味があります。単純に誘目性の高い色といえば、左の「OPEN」のように赤や黄色など明度や彩度が高い「目立つ色」になります。また、右の「季節限定メニュー」のように反対の性質をもつ黄色と紺のような「補色」の組み合わせも誘目性が高いといえます。
しかし、いくら誘目性が高い色でも背景色が赤で書体がオレンジの組み合わせだと、「目で見たときの認識のしやすさ」の目安である「視認性」が下がってしまい、目立ちにくくなってしまいます。また、暑い夏に暖色系ののぼり(冬は寒色系)を使用するのも季節に合わず視認性が下がる要因となる場合があります。誘目性と視認性の両方が高いデザインにするには、季節や店舗の雰囲気、場所に合わせた色を組み合わせることが重要です。

ポイント②季節にあった配色を!
左の「ICE COFFEE」のように、暑い夏に訴求するような商品の場合、デザインを寒色系で揃えると清涼感を演出できます。右の「おでん」では、寒い冬に訴求するため、暖色系を使用することで温かさを感じられ、季節にあった配色になっています。さらに、写真やイラストを入れておくと、配色と相まって商品や温度感、季節感が連想されやすくなるため、集客効果もより高まることが期待できます。
なお、色数についてはなるべく少なめにしておくのがおすすめです。使っている色が多すぎたり統一感のない配色になっていたりすると、デザインの見にくさに繋がってしまう可能性があります。暖色・寒色やパステルカラー、お店のテーマカラーなど、色がもつ特性と使いたい色のバランスを考えましょう。
のぼりの色についてさらに詳しく知りたい方はコチラの記事もあわせて参考にしてみてください。
→のぼりの集客効果がない原因は色!集客とのぼりの色の関係とは?
まとめ
のぼりを設置する場所によっては、いくら凝ったデザインであっても目立ちにくいのぼりになる可能性もあります。まずのぼりを置く場所を考慮して、どんな書体にするか、どんな配色にするか、季節感など含めたデザインにすることが集客効果の高いのぼりを作るコツといえます。