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意外と知らない?今と昔では違う「のぼり」に込められた深い意味

意外と知らない?今と昔では違う「のぼり」に込められた深い意味

街角のいたるところで見ることができる「のぼり」には、深い歴史があります。 「旗」とよく似ているため、一見同じような役割や目的を果たすものに思えますが、実はそれぞれが持つ意味に大きな違いがあります。 またのぼりは「のぼり旗(幟旗)」とも呼ばれていますが、「のぼり」と「のぼり旗」の意味の違いはあるのでしょうか?のぼりの歴史や成り立ち、由来からのぼりの本当の意味を紐解いていきましょう。

今と昔では多少の違いはありますが、そもそも「のぼり」そのものにはどんな意味があるのでしょうか?
簡単に説明すると、のぼりとは「情報を知らせるために、目印として立てる旗のようなもの」という意味があります。 もっとも戦国時代などは「家紋の書かれたのぼりを見て、敵味方を見分け士気を上げる」、今は「お客様や周りの人を呼び込み、集客効果を高める看板のようなツール」 という意味合いでのぼりは使われていますが、「目を引いて伝える」という本質は同じといえましょう。

  現代
目的 お客様などを呼び込むため 敵の判別・見方の士気を上げる
呼び名 のぼり・のぼり旗 乳付旗・流れ旗・耳付け旗
比較 大売出しのぼり 赤背景黒まるのぼり

現代よく目にするのぼりのデザインには、主にイベントの宣伝や周知、スポーツチームや選手などの応援、店舗の装飾や商品の販促、顧客への呼びかけなどの意味があります。 例えば、ラーメン屋の軒先にラーメンのイラストなどが入ったデザインのぼりを立てると、通行人の視認性を上げ集客や売上アップの効果があると証明されています。
このように、現代ののぼりは「お客様を店に呼ぶため」という目的のために立てられる看板としての大きな意味をもちます。

昔の風習で残っているのぼりは主に「神社ののぼり」と「相撲のぼり」があります。

神社画像

神社では主に紅白のシンプルがたくさん並んでいたり、入口に大きなのぼりが立っていたりしています。 神社ののぼりは昔から、神事の際に神様が降りてくるための目印である「招代(おぎしろ)」の意味を持っています。 また、神社に奉納をしている地元の人たちなどへの感謝の印として、名前の入ったのぼりを立てている場合もあります。
相撲は約370年前から始まっていると言われています。よく相撲の巡業先などで掲げられている相撲ののぼりはとても大きく、色とりどりです。
相撲のぼりが大きいのは遠くからでも相撲が行われていることを目立たせるためですが、カラフルなのには理由があります。 日々の鍛錬で怪我をしないよう、縁起を担ぐために敢えてカラフルなデザインにしており「黒星」を連想させる黒を使わないなど配慮がなされています。 このように昔の風習が残っているのぼりは、神事や縁起などを大切にする風習が神社や相撲ののぼりに息づいているといえます。

800年あまりの歴史がある「のぼり」ですが、それが「のぼり」と呼ばれるようになった所以は諸説あります。
のぼりは平安時代では「流れ旗」、チチを付けて竿を通すようになってから「乳付旗(ちつきばた)」「耳付け旗」と呼ばれていました。
また、戦国時代の書物には既に「のぼり」という言葉が登場していたようです。 チチを伝わって上に昇っていく様を表し「のぼり」呼ぶようになった、元々は「昇旗」と表記されていたなど、いずれにしても「昇る」という言葉に関係がありそうですが、 正確な「のぼり」という名前の語源は明らかにはなっていません。

のぼりは漢字で「幟」と書きます。その由来ですが、へんである「巾」は布を意味します。 つくりの部分は「音」と「戈(ほこ=武器の矛)」に分かれており、「武器に印をつけて目印となる」という意味があります。 目印のついた布⇒「幟」という漢字になり、旗竿を付けたものを俗に「幟旗(のぼり旗)」と呼ぶよう発展しました。 現在ののぼりは「のぼり旗」が略されたものであり、用語としての意味は変わりません。

のぼりの歴史は約830年前の平安時代から存在していた!

のぼりには長い歴史がありますが、そのルーツを遡ると中国の古文書であり日本の文化や風習について記された「魏志倭人伝」には、邪馬台国に軍旗を送ったとの記述があるようです。 それが長い時間をかけて発展し、本格的にのぼりとしての役割を果たすべく認識されたのは平安時代です。
それは、平安時代の末期の源氏と平氏の決戦「壇ノ浦の戦い」で旗を揚げて戦っていたことにより証明されています。 当時使っていた旗は赤ないし白一色でできており、この頃は「のぼり旗」ではなく「流れ旗」と呼ばれていました。 ですが、既に形状は縦長の長い布となっており「のぼり」にほぼ近い形であったといえます。

平安時代ののぼりは縦型ではありますが上部だけが固定されており風になびく旗との中間のような形をしていました。 現在ののぼりのように、縦方向も竿で固定されているのぼりの原型は、戦国時代にルーツがあるといえます。
平安時代は一色のみでしたが、戦国時代では戦で敵味方を識別するために自軍の家紋のぼりを用いて陣に立たせ背中に挿して使用するよう進化しました。 また家紋だけでなく今でいうキャッチコピーのような文字を入れることによって、兵たちの意識の統一を図ったともいわれていす。 武田信玄で有名な「風林火山」は孫子の書物の一説「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」が由来といわれています。
ちなみに戦がなくなった江戸時代ののぼりはどのように広がっていったのでしょうか?
江戸時代は、戦国時代や三国志時代などの英雄・武将が描かれた武者絵が流行っていました。 その武者絵をぼりに描き、子供の節句に飾ることによって、健康・成長を祈ったという風習があったようで急速に庶民に広まったといえます。

のぼりは多くの人々へのアピール、「旗」はシンボルを表す印

のぼりの意味についてここまで説明してきましたが、では「旗」についてはどのような意味があるのでしょう? 旗はのぼりと同じく、薄い布を竿(ポール)の先端につけて掲げたものになります。歴史はのぼりよりも古く、のぼりのルーツが旗にあるといえます。 旗は校旗・国旗・軍旗など何かのシンボルを表すものとして掲揚されることが多く、遠くからでも目に留まるように高いところに飾られます。 成績を讃える意味で使われる優勝旗、豊漁・豊作を周りに知らせるための大漁旗などさまざまな意味で旗は使われています。

  のぼり
イメージ 黒のぼり 黒旗
目的 集客 周知
用途 商品PR・アピール 団体のシンボル
英字 Banner(バナー) Flag(フラッグ)
作成 複数作成向け 単体作成向け
金額 比較的安価 比較的高価

旗ものぼりも「伝える」という根本の意味では同じですが、上記のように「旗は」団体のシンボルであり成果を示すものとして周囲に知らしめることが目的なのに対し、 「のぼり」は商品のPRや集客効果をアップさせる販促ツールとして通行人やお客様にアピールすることが目的です。 形状に関しても、現在では一般的にのぼりと定義されるものは「チチ(乳)」があり縦と横の竿に通す伝統的な形式であり、棒の横にとりつける形式のものを旗と定義しています。

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また、のぼりと旗は英語に訳してもそれぞれ単語が異なり、のぼりは「banner」、旗は「flag」と呼ばれていることからも両方は似て非なるものということがわかります。 ちなみにですが、価格の面でものぼりと旗は大きな違いがあります。 もし作成するとした場合、のぼりは比較的低価格で複数枚製作が可能ですが、旗は大きさと丈夫さが問われます。1枚作るだけでも数万円以上かかると考えてよいでしょう。

のぼりに込められた意味は、時代により形とともに変遷してきました。 昔は神事で神を迎えるための「招代(おぎしろ)」、戦国時代には戦で士気を高め敵味方の区別として、そして今では人を呼ぶための「目印(標識)」としてその役割を果たしています。 ですが、どの時代であっても「伝えるためのツール」としての意味は同じで、これからも不変でしょう。